ヨハネス(ソールズベリーのヨハネス)(読み)よはねす(英語表記)Johannes Saresberiensis

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ヨハネス(ソールズベリーのヨハネス)
よはねす
Johannes Saresberiensis
John of Salisbury
(1115―1180)

中世人文主義者。イングランドソールズベリーに生まれ、フランスで勉学。カンタベリー大司教テオバルドゥスTheobaldus(在位1138~1161)、トマス・ア・ベケット(在位1162~1170)を補佐し、1176年シャルトルの司教となる。著作『メタロギコン』Metalogicon(1159)で古典の研究を勧め、言語の学習と人間性の高揚との関連を力説して人文主義の理念を説いた。『ポリクラティクス』Policraticus(1159)では偽善軽佻浮薄(けいちょうふはく)な風潮を批判して国家論を展開するが、高い倫理的時代意識がうかがわれる。多くの書簡と『教皇史』Historia pontificalis(1164ころ)は、史料として重要である。

[柏木英彦 2015年2月17日]

『柏木英彦著『中世の春』(1976・創文社)』

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