ヨウ化アンモニウム(読み)ようかあんもにうむ(英語表記)ammonium iodide

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヨウ化アンモニウム」の意味・わかりやすい解説

ヨウ化アンモニウム
ようかあんもにうむ
ammonium iodide

ヨウ化水素アンモニウム塩ヨウ化水素酸(ヨウ化水素の水溶液)をアンモニアまたは炭酸アンモニウムで中和すると得られる。また、ヨウ素アンモニア水と過酸化水素水とを加え、水浴上で加熱、濃縮することによっても得られる。無色、潮解性の結晶感光性があり、光によって黄色ないし褐色に変色する。水によく溶け、エタノールエチルアルコール)、メタノールメチルアルコール)、アセトングリセリンにも溶ける。ヨウ素化合物の原料となる。

[鳥居泰男]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

化学辞典 第2版 「ヨウ化アンモニウム」の解説

ヨウ化アンモニウム
ヨウカアンモニウム
ammonium iodide

NH4I(144.94).ヨウ化水素酸にアンモニアまたは炭酸アンモニウムを作用させるか,ヨウ素にアンモニア水および過酸化水素水溶液を加えると得られる.無色の吸湿性結晶.551 ℃ で昇華する.水,エタノール,アセトンに易溶,エーテルに難溶.空気または光にさらすとヨウ素が遊離して,黄色ないし褐色となるので,暗所に保存する必要がある.ヨウ素化合物の製造原料,医薬品(去たん剤,利尿剤),写真などに用いられる.[CAS 12027-06-4]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヨウ化アンモニウム」の意味・わかりやすい解説

ヨウ化アンモニウム
ヨウかアンモニウム
ammonium iodide

化学式 NH4I 。無色,無臭の潮解性結晶,あるいは粒状粉末。空気および光に触れると黄褐色に変る。加熱すると一部分解し,一部昇華する (551℃) 。比重 2.56。水,アルコールに可溶。写真用薬品,医薬品として用いられる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android