ユングフラウ山(読み)ゆんぐふらうさん(英語表記)Jungfrau

翻訳|Jungfrau

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ユングフラウ山」の意味・わかりやすい解説

ユングフラウ山
ゆんぐふらうさん
Jungfrau

ヨーロッパ・アルプス中部、スイスベルナー・オーバーラントにある高峰。標高4158メートル。片麻岩(へんまがん)からなり、アイガーメンヒとともに三名山といわれる。山名は「若い花嫁」の意で、名のとおり美しい山容を示す。1811年スイスのヒエロニムス・マイヤー、ヨハン・ルドルフ・マイヤー父子らにより初登頂された。1874年、W・A・B・クーリッジらのイギリス女性がガイドを伴って冬季初登頂を行った。アルプスでもっとも登山者の多い山の一つで、1912年、山麓(さんろく)のインターラーケンからグリンデルワルトクライネシャイデックを経てアイガーの山腹をトンネルで抜けユングフラウヨッホ(3475メートル)に至る登山電車が通じ、登山が容易になった。

 ユングフラウヨッホにはホテルや高山研究所があり、アレッチ氷河を見下ろしての眺望に優れ、観光客が多い。2001年にユングフラウ、アレッチ氷河、ビーチホルンにかけての地域は世界遺産の自然遺産として登録されている(世界自然遺産)。

[徳久球雄]


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改訂新版 世界大百科事典 「ユングフラウ山」の意味・わかりやすい解説

ユングフラウ[山]
Jungfrau

スイスのベルナー・アルプスBerner Alpenの高峰。標高4158m。北東に連なるメンヒMönch(4099m),アイガー(3970m)とともにベルナーオーバーラントの3名山。雪原におおわれた山体の南東から,アルプス最大の大アレッチュ氷河(面積113.4km2,延長25km)が流下する。〈処女峰〉を意味するこの呼称は,登頂の困難な山であったことに由来するが,1811年にマイヤー兄弟がそれに成功した。ふもとのグリンデルワルトからクライネシャイデクまで登ると,眺望はすばらしい。ここから,さらにユングフラウヨッホJungfraujoch(3475m)まで登山電車(1912開通)が通じている。
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