日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ユスティニアヌス(2世)
ゆすてぃにあぬす
Justinianus Ⅱ
(669ころ―711)
ビザンティン皇帝(在位685~695、705~711)。コンスタンティノス4世の子で、父の死後16歳で即位。バルカン半島の南東部のスラブ人を制圧、彼らの多くを小アジアのテマ(軍管区)充実のために移民させた。また教会会議(691、692)を開催、教会法と典礼を整備した。その独裁主義のため政敵により「鼻そがれ」の刑を受け、ケルソン(クリミア)に追放された。11年後にブルガリア王テルベルの軍事援助を受け、二度目の即位を果たす。第二期の治政中はイスラムとの抗争もあったが、自分を帝位より追放した旧敵への復讐(ふくしゅう)に明け暮れ、結局は対立皇帝バルダネスにより捕らえられ、処刑された。
[和田 廣]