ヤマビワ(読み)やまびわ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヤマビワ」の意味・わかりやすい解説

ヤマビワ
やまびわ / 山枇杷
[学] Meliosma rigida Sieb. et Zucc.

アワブキ科(APG分類:アワブキ科)の常緑小高木。高さ約7メートルに達する。幹は褐紫色、若枝には葉や花序とともに褐色の毛を密生する。葉は狭倒卵状楕円(だえん)形で長さ10~30センチメートル、質は厚く、先のとがった粗い鋸歯(きょし)がある。6月、枝先に大形の円錐(えんすい)花序をつくり、白色花を開く。核果は球形で径約6ミリメートル、黒色に熟す。暖地山林に生え、伊豆半島以西の本州から沖縄、および中国に分布する。名は、葉がビワに似ており、山に生えることによる。伊勢(いせ)神宮では発火のためにヒノキと摩擦させて用いる。

[門田裕一 2020年4月17日]

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世界大百科事典(旧版)内のヤマビワの言及

【アワブキ】より

…同属のミヤマハハソM.tenuis Maxim.は側脈数が10対ほどしかない。またヤマビワM.rigida Sieb.et Zucc.は静岡県以西と中国大陸の暖帯・亜熱帯に分布する常緑中高木である。【浜谷 稔夫】。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」