ヤマノイモ(山の芋)(読み)ヤマノイモ(英語表記)Dioscorea japonica; Japanese yam

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヤマノイモ(山の芋)」の意味・わかりやすい解説

ヤマノイモ(山の芋)
ヤマノイモ
Dioscorea japonica; Japanese yam

ヤマノイモ科のつる性の多年草。ジネンジョウ (自然生) ,ジネンジョ (自然薯) ともいう。アジア東部の温帯から暖帯に広く分布し,山野の林や藪に普通に生える。根は多肉質,長大な円柱形で地中へ深くまっすぐに伸びる。茎は毎春伸び出し,細長いつるとなり,まばらに分枝して他物にからみつく。葉は無毛の心状披針形で長い柄で対生し,葉腋に珠芽 (→むかご ) を生じる。雌雄異株。夏,葉腋に総状花序を生じる。雄花序は直立し,雌花序は下垂する。雄花,雌花とも花被片は6枚。雄花には6本のおしべと退化しためしべが,雌花にはめしべと仮雄ずいとがある。果実は3枚の円形の翼をもち,中の種子は扁平で膜質の翼をもつ。根は古くからトロロイモとして食用とされてきたが,中国原産のナガイモ (長芋)が栽培されるようになってから,本種をジネンジョウと呼んで区別するようになった。珠芽も食用になる。

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