日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヤツガシラ(サトイモ)」の意味・わかりやすい解説
ヤツガシラ(サトイモ)
やつがしら / 八頭
サトイモColocasia antiquorum Schott. var. esculenta Engl.の1品種。サトイモのなかでは高価に取引される。また葉柄は褐色系で、ずいきとして利用できる。肥沃(ひよく)で水分の多い土質で、多肥栽培される。煮るとぬめりがある一般のサトイモに比べると、水分が少なく、ぽくぽくした味覚である。煮物にし、関西地方では正月の雑煮に入れる習慣があり、またおせち料理として重要なものとなっている。料理法はまず皮をむき、乱切りし、面(めん)をとり、塩ゆでし、水でぬめりを洗い、だし汁、しょうゆなどで煮る。仕上げにみりんを加え煮含める。鍋(なべ)は厚手のものを用い、弱火で煮る。このほか小さく切って煮てから、白みそ仕立てで味をつけるのもヤツガシラの代表的料理である。
[星川清親]
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