ヤコービ(英語表記)Jacobi, Friedrich Heinrich

デジタル大辞泉 「ヤコービ」の意味・読み・例文・類語

ヤコービ(Friedrich Heinrich Jacobi)

[1743~1819]ドイツ哲学者理性に対する感情優位を説き、合理主義に反対して感情哲学主張

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヤコービ」の意味・わかりやすい解説

ヤコービ
Jacobi, Karl Gustav Jacob

[生]1804.12.10. ポツダム
[没]1851.2.18. ベルリン
ドイツの数学者。ベルリン大学に学び,1825年,同大学から学位を得た。ケーニヒスベルク大学教授 (1827~42) 。初めは整数論に取組み,C.ガウスに認められた。次いで楕円関数の研究を始め,N.アーベルが同様の研究を行なっていたのに気づかないで研究を完成し,アーベルとともに楕円関数論の創始者となった。また,行列式を研究し,ヤコビアンを導出,行列式理論のパイオニアの一人でもあった。さらに偏微分方程式の研究にも力を注ぎ,それを力学に適用してすぐれた業績を残した。また,数学教育にゼミナール方式を取入れ,専門研究者を育てた。主著『楕円関数論の新基礎』 (29) ,『行列式の構造と性質について』 (41) ,『力学講義』 (66) 。

ヤコービ
Jacobi, Friedrich Heinrich

[生]1743.1.25. ジュッセルドルフ
[没]1819.3.10. ミュンヘン
ドイツ啓蒙主義後期の哲学者。信仰哲学感情哲学の大成者。最初,父の跡を継ぎ商業に従事したが,1772年自由な研究生活に入った。 79年財務顧問官としてドイツ各地を訪れ,文人,思想家と交友した。 1807年ミュンヘンのバイエルン学士院院長に就任。レッシングスピノザ解釈をめぐって M.メンデルスゾーンと論争し,スピノザの合理主義が無神論に陥ることを論証した。合理論,理性主義に反対し,カントシェリングの哲学を批判した。主著『スピノザの学説について』 Über die Lehre des Spinoza in Briefen an M. Mendelssohn (1785) ,『ヒュームの信仰論』 David Hume über den Glauben (87) 。

ヤコービ
Jacobi, Johann Georg

[生]1740.9.2. ジュッセルドルフ
[没]1814.1.4. フライブルク
ドイツの詩人。 1766年ハレ大学哲学教授,84年フライブルク大学美学教授。その間ゲーテや特にハインゼに支持されて文芸雑誌『イーリス』 Iris (1774~76) を発刊したり,J.グライムやウィーラントと親交を結ぶ。アナクレオン派の作風で詩作を行なったが,「シュトゥルム・ウント・ドラング」の詩人たちからは軽蔑された。詩集に『冬の旅』 Die Winterreise (69) ,『夏の旅』 Die Sommerreise (70) など。

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367日誕生日大事典 「ヤコービ」の解説

ヤコービ

生年月日:1801年9月21日
ロシアの物理学,電気工学者
1874年没

ヤコービ

生年月日:1876年3月19日
ドイツの古典学者
1959年没

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