世界大百科事典 第2版 「ヤコブ・バラダイオス」の意味・わかりやすい解説
ヤコブ・バラダイオス【Iakōb Baradaios】
シリアの単性論派教会であるヤコブ派教会の設立者。ユーフラテス川上流地方の出身。修道士となり,ニシビスの神学校で学んだ。単性論派に対する弾圧のもとで,コンスタンティノープルに潜入し,ユスティニアヌス帝の皇妃テオドラの保護を受け,542年にエデッサ主教に叙階された。それ以後,乞食に身をやつして,小アジア,メソポタミア,シリア,エジプトなどの各地を35年にわたって歩き,多数の単性論派の司祭を叙任し,ヤコブ派教会の基盤を築いた。
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