日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
モール(Hugo von Mohl)
もーる
Hugo von Mohl
(1805―1872)
ドイツの植物学者。シュトゥットガルトの富裕な官吏の子として生まれる。チュービンゲン大学で医学を学んだが、植物の顕微鏡的研究に興味を抱き、ベルン大学で生理学を講じたのち、1835年チュービンゲン大学の植物学教授となる。植物細胞が分裂によって増殖することを明らかにした(1835)。また植物細胞の細胞壁の内側に粘性物質があることをみいだし、プロトプラズマProtoplasma(原形質)とよんだ(1846)。この語は、1839年にプルキンエがつくったものであるが、モール以後広く用いられるようになった。生涯独身で、死ぬまで教授職にあった。没後、その講座はホフマイスターに引き継がれた。長兄は公法学者、次兄はオリエント学者として知られている。
[檜木田辰彦]
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