モーペルテュイ(英語表記)Pierre Louis Moreau de Maupertuis

改訂新版 世界大百科事典 「モーペルテュイ」の意味・わかりやすい解説

モーペルテュイ
Pierre Louis Moreau de Maupertuis
生没年:1698-1759

フランス数学者イギリスに渡り,デカルトの渦動説に反対して,ニュートンの万有引力説を支持した。1736年,アカデミー・デ・シアンスの委嘱を受け,観測隊を指揮してラップランドに赴き,地球楕円体をなしているとする,ニュートンの学説の正しさを実測によって裏づけた。46年,フリードリヒ大王に招かれてベルリンに赴き,プロイセン・アカデミーの院長となった。
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百科事典マイペディア 「モーペルテュイ」の意味・わかりやすい解説

モーペルテュイ

フランスの数学者,天文学者。初め軍人。ニュートン理論を熱烈に支持。1736年―1737年,地球楕円体の正しい形をきめるための測量隊の長としてラップランドにいき,地球が南北に扁平なことを立証。1744年力学の〈最小作用の原理〉を発表。1746年フリードリヒ2世の招きでベルリンにいき,その科学アカデミー会長となる。
→関連項目クレーロー

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「モーペルテュイ」の意味・わかりやすい解説

モーペルテュイ
もーぺるてゅい

モーペルチュイ

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世界大百科事典(旧版)内のモーペルテュイの言及

【遺伝学】より

… しかし,本当の意味の遺伝学が成立するためには,種の概念,細胞説,有性生殖の認識などが確立される必要があった。モーペルテュイP.L.M.de Maupertuisのヒトの多指症についての研究,ケルロイターJ.G.Koelreuterの雑種の研究などの先駆的業績を経て,ついにG.J.メンデルの登場となる。しかし近代遺伝学の成立はメンデルの遺伝法則の再発見の年すなわち1900年とするのがふつうである。…

【カッシニ家】より

…アカデミー会員で,パリの経度の決定(1718)などにかかわる。地球の形状では,ようやくフランスにも登場し始めたデザギュリエJ.T.Désaguliers(1683‐1744),モーペルテュイP.L.M.de Maupertuis(1698‐1759)らのニュートン派と対立して,縦長説を堅持し,父親の説を強く擁護した。3代目で,テュリ伯となったセザール・フランソワCésar François C.(1714‐84)と4代目のジャック・ドミニクJacques Dominique C.(1748‐1845)は協力して〈カッシニ図〉と呼ばれるものを1793年に完成させた。…

【遺伝学】より

… しかし,本当の意味の遺伝学が成立するためには,種の概念,細胞説,有性生殖の認識などが確立される必要があった。モーペルテュイP.L.M.de Maupertuisのヒトの多指症についての研究,ケルロイターJ.G.Koelreuterの雑種の研究などの先駆的業績を経て,ついにG.J.メンデルの登場となる。しかし近代遺伝学の成立はメンデルの遺伝法則の再発見の年すなわち1900年とするのがふつうである。…

【カッシニ家】より

…アカデミー会員で,パリの経度の決定(1718)などにかかわる。地球の形状では,ようやくフランスにも登場し始めたデザギュリエJ.T.Désaguliers(1683‐1744),モーペルテュイP.L.M.de Maupertuis(1698‐1759)らのニュートン派と対立して,縦長説を堅持し,父親の説を強く擁護した。3代目で,テュリ伯となったセザール・フランソワCésar François C.(1714‐84)と4代目のジャック・ドミニクJacques Dominique C.(1748‐1845)は協力して〈カッシニ図〉と呼ばれるものを1793年に完成させた。…

【最小作用の原理】より

…質点はその作用積分が各時刻において最小となるような軌道を描くという力学原理。解析力学の枠組みにおけるもっとも一般的な形に述べられる運動法則,すなわちハミルトンの原理が現れる以前,直観的に運動法則を述べる試みとして,1744年P.L.M.deモーペルテュイによって最初に提出された。ここで作用積分とは,質点の運動量p(t)をその描く軌道q(t)に沿って積分する,のことを意味していた(tは時間)。…

【進化論】より

…18世紀的唯物論がこれに加わる。モーペルテュイ,ビュフォン,ディドロ,ドルバックらが主要な進化思想家としてあげられる。モーペルテュイとビュフォンが,ボルテールとならんでフランスへのニュートン力学の紹介者であることは,この力学がフランス思想に自然の合則性の観念を直接培って,進化観念の土台を準備したことを示している。…

※「モーペルテュイ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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