モンゴメリー(英語表記)Montgomery

翻訳|Montgomery

精選版 日本国語大辞典 「モンゴメリー」の意味・読み・例文・類語

モンゴメリー

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改訂新版 世界大百科事典 「モンゴメリー」の意味・わかりやすい解説

モンゴメリー
Montgomery

アメリカ合衆国アラバマ州中部の州都。モントゴメリーとも呼ばれる。人口20万0127(2005)。市名は独立革命の英雄リチャード・モンゴメリーにちなむ。南北戦争直前,アメリカ南部連合がここで樹立され,首都となった。その後,首都はバージニア州リッチモンドに移されたが,デービス大統領の住居は,南部連合政府の〈最初のホワイト・ハウスFirst White House〉として残されている。かつては綿花肉牛などの集散地として有名だったが,現在は各種製造工業など北部からの企業進出が始まっている。黒人に対する人種差別が激しかった所で,1955年黒人女性がバスの座席白人に譲らなかったため逮捕されたことから,大規模な黒人のバス・ボイコット闘争が始まり,黒人側の勝利がその後全米を揺るがせた黒人革命発端となった。この町の教会キング牧師は,この闘争のなかから若い指導者として登場した。
執筆者:

モンゴメリー
Lucy Maud Montgomery
生没年:1874-1942

カナダの作家。処女小説赤毛アンAnne of Green Gables》(1908)に始まり,《イングルサイドのアン》(1939)に及ぶ全8巻の〈アン・シリーズ〉で広範な読者層をもつ。プリンス・エドワード・アイランドの美しい牧歌的な風光と天衣無縫の主人公の性格の魅力が読者の心を強くとらえ,この作者の,より自伝的な〈エミリー・シリーズ〉(1923-27)や小説《青い城》(1926)などその他の数多い作品は,いささか影が薄い。しかし近年評伝や研究書が出始め,作家としての全貌があらためて評価されるようになってきた。
執筆者:

モンゴメリー
Bernard Law Montgomery,1st Viscount Montgomery of Alamein
生没年:1887-1976

イギリスの陸軍軍人第2次世界大戦で1940年ダンケルク撤収にあたり,42年には北アフリカ作戦を指揮,ロンメル将軍率いるドイツ軍をエル・アラメインに破り,連合軍反撃の道を開く。44年ノルマンディー上陸作戦のイギリス軍総司令官として活躍,元帥となる。46年伯爵。48年西ヨーロッパ連合最高司令官会議議長,51-58年NATO軍副最高司令官。
執筆者:

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「モンゴメリー」の意味・わかりやすい解説

モンゴメリー
Montgomery, Lucy Maud

[生]1874.11.30. カナダ,クリフトン
[没]1942.4.24. トロント
カナダの小説家。 1908年に出版した『赤毛のアン』で知られる。孤児院から村にやってきた赤毛の少女アンの言動が騒動を巻起し,村人たちをはらはらさせつつ,やがて愛が生れてゆく物語は,モンゴメリー自身の体験も重ね合されて,いまなお人気を保っている。プリンスエドワード島のキャベンディッシュ村で 17歳まで過し,シャーロットタウンのカレッジからノバスコシア州の州都ハリファックスの大学に進学。卒業後は3年間教職についたのち,村で郵便局を営んで暮した。 37歳のときエワン・マクドナルド牧師と結婚しトロントに移る。その後も『アンの夢の家』など一連のシリーズのほか,より自伝的要素の強い『可愛いエミリー』シリーズを発表した。

モンゴメリー

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百科事典マイペディア 「モンゴメリー」の意味・わかりやすい解説

モンゴメリー

米国,アラバマ州中央部の都市で,同州の州都。米国南東部最大の牛の取引市場があり,食品,繊維,肥料,木製品などの工業が行われる。1861年南部連邦成立時は主都。1955年この地で起こったバス・ボイコット事件がキング牧師率いる公民権運動の始まりとなった。20万5764人(2010)。
→関連項目アラバマ[州]

モンゴメリー

カナダの児童文学作家。1908年に出版された《赤毛のアンAnne of Green Gables》は,大ベストセラーとなり,翌年よりシリーズ化された。他に,《かわいいエミリー》から始まるエミリー・ブックス(1923年―1927年),《物語る少女》(1911年),《パットお嬢さん》(1935年)など,数々の少女小説があるが,どれも,作家の故郷,プリンス・エドワード・アイランドの美しい風景を舞台とした,自伝的要素の強い作品となっている。

モンゴメリー

英国の軍人。第2次大戦中北アフリカ作戦を指揮,ロンメル指揮下の独伊軍をエル・アラメインの戦で撃破,その功で元帥となり,ノルマンディー上陸作戦も指揮。終戦後,子爵となり,西欧同盟軍最高司令官会議議長,NATO軍副最高司令官。

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世界大百科事典(旧版)内のモンゴメリーの言及

【アラバマ[州]】より

…面積13万3915km2,人口427万(1996)。州都はモンゴメリー,最大都市はバーミングハム。州名はチョクトー・インディアンの言葉alba ayamule(茂みを切り開く)に由来するといわれる。…

【エル・アラメインの戦】より

…北アフリカでロンメル指揮の枢軸国(ドイツ,イタリア)軍は西方よりイギリスの植民地エジプトに向け進攻した。敗退を重ねていたイギリス第8軍は,モンゴメリー将軍を指揮官に迎えてから態勢を立て直し,まず1942年8月末,アラム・ファルファの戦闘で枢軸国軍を撃退した。次いで10月23日夜満月を利用して,エル・アラメイン付近の枢軸国軍陣地を攻撃,激戦の末11月4日に至りようやく突破に成功し,決定的な勝利を収めた。…

【児童文学】より

… そのほかの諸国からひろうと,スイスのJ.シュピーリの《ハイジ(アルプスの少女)》(1881)とウィースJ.R.Wyssの《スイスのロビンソン》(1812‐13),ハンガリーのF.モルナールの《パール街の少年たち》(1907),チェコスロバキアのK.チャペックの《童話集》(1932)が見落とせない。【瀬田 貞二】【菅原 啓州】
[カナダ,オーストラリア,ニュージーランド]
 カナダにはL.M.モンゴメリーの《赤毛のアン》(1908)があるが,本領はE.T.シートンやロバーツG.D.Robertsによって19世紀末から開拓された動物物語にあり,その伝統はモワットF.Mowat《ぼくのペットはふくろう》(1961),バンフォードS.Bunford《信じられない旅》(1977)に息づいている。オーストラリアの近年の児童文学の隆盛はめざましい。…

【プリンス・エドワード・アイランド[州]】より

…産業の第2は食品製造を中心とする製造工業,第3に建設業があげられる。日本人にはL.M.モンゴメリーの《赤毛のアン》シリーズの舞台としてなじみの州であり,アンの旧跡を訪ねる観光業も州の重要産業となりつつある。1534年フランス人カルティエの航海で見いだされたこの島は,1603年シャンプランによりサン・ジャン島と名づけられた。…

※「モンゴメリー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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