モロコシ(蜀黍)(読み)モロコシ(英語表記)Sorghum vulgare; great millet

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「モロコシ(蜀黍)」の意味・わかりやすい解説

モロコシ(蜀黍)
モロコシ
Sorghum vulgare; great millet

イネ科の一年草。タカキビともいう。アフリカの熱帯地域の原産といわれるが,アジア,アフリカで有史以前から栽培され,アメリカにも導入された。茎はトウモロコシに似て,2.5mぐらいになる。花序は複穂状で頂生し,小穂は対生してその片方は無柄で稔性,他方は有柄で雄花のみをつける。主として自家受粉し,秋に多数の穎果をつける。多くの栽培種があり,食料飼料として広く利用されている。サトウモロコシ S. vulgare var. saccharatumは甘汁が出るのでまれに製糖材料として栽培され,ホウキモロコシ S. vulgare var. hokiは穂からほうきをつくる。日本には室町時代に渡来したといわれ,畑地につくられることは少なく,畑の縁,河岸の出水のある地などに植えられる。中国東北地方のコーリャン (高粱) はこの変種 S. vulgare var. nervosumで中国では非常に古くから栽培されてきた。

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