モノサシトンボ(読み)ものさしとんぼ

改訂新版 世界大百科事典 「モノサシトンボ」の意味・わかりやすい解説

モノサシトンボ (物差蜻蛉)
Copera annulata

トンボ目モノサシトンボ科の昆虫。体長45mmくらいのイトトンボで,木陰のある池沼やその流出水に育ち,5~8月に成虫が見られる。羽化直後の個体は,とくに雌では体が著しく黄褐色を帯びているが,成熟すれば黒褐色地に青緑色または黄緑色の条斑を示すようになる。北海道から九州までふつうに見られ,また朝鮮半島,台湾,中国よりタイ,マレーシアにかけて分布する。雄の中・後肢脛節けいせつ)は少し幅広く白色となるが,グンバイトンボのように著しく広がることはない。日本には近似種としてオオモノサシトンボを産する。また同科にはグンバイトンボのほかにスモンルリトンボが本州中部山地の特産種として認められる。琉球諸島には南方系のルリモントンボ属の2種が見られる。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「モノサシトンボ」の意味・わかりやすい解説

モノサシトンボ
ものさしとんぼ / 物差蜻蛉
[学] Copera annulata

昆虫綱トンボ目モノサシトンボ科に属する昆虫。体長45ミリ内外のやや大形のイトトンボで、樹陰のある溜水(ためみず)やその流出水に育ち、5~8月にわたって出現する。羽化直後の個体、とくに雌では体がやや黄褐色を帯びるが、成熟にしたがって黒色地に青緑色の斑紋(はんもん)を示す。日本列島では北海道から九州まで普通にみられるが、大陸では中国の中部に分布する。雄の中肢と後肢の脛節(けいせつ)はすこし幅広くなるが、近似種のグンバイトンボのように著しく広がることはない。

朝比奈正二郎


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