モノのインターネット(読み)もののいんたーねっと(英語表記)Internet of Things

日本大百科全書(ニッポニカ) 「モノのインターネット」の意味・わかりやすい解説

モノのインターネット
もののいんたーねっと
Internet of Things

インターネットとは関係のなかったものが、ネットワークに接続されることによって、これまでとは異なる価値を見いだされたり、新たな方法で活用されたりすることを表したことば。IoTと略される。イギリス出身のハイテク企業家ケビン・アシュトンKevin Ashton(1968― )が、1999年に初めて提唱したとされる。

 1980年代以降、「どこでもコンピュータ」を目ざした日本のTRON(トロン)プロジェクトをはじめ、1990年代に注目されたユビキタス・コンピューティングなどと類似した概念ととらえられる。自動車、家電、カメラ、音響機器、ウェアラブル端末などが、その対象物となる。情報収集用のGPS全地球測位システム)やカメラの各種センサー、無線通信機器、集積される情報を分析するクラウド基盤などがIoTを支える技術であり、部品や機器の小型化、高性能化、低価格化により普及が進みつつある。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「モノのインターネット」の意味・わかりやすい解説

モノのインターネット
Internet of Things

インターネットにさまざまな装置(モノ)をつなぎ,連携させることで,多様な価値を産出する仕組み。略称 IoT。従来,インターネットで扱われる情報は人が生成あるいは利用することが前提とされていたが,IoTでは,情報を信号に変えるセンサや電気信号を動きに変えるアクチュエータが付与されたモノをインターネットに接続し,センサから発せられた情報を解釈,加工,蓄積し,その結果をアクチュエータに伝え,物理的な動きを実行する。これによって消費者,生産者,サービスやビジネスの提供者にいたるモノ同士の連携を動的に生成し,新たな価値の連鎖をつくりだすことをねらう。たとえば,IoTを適用した農業では,農場大気土壌の温度,湿度,水分量,二酸化炭素量,作物糖度・熟度などを常にモニタし,その結果を人工知能技術を用いて解釈することで,市場動向もふまえた作業計画を予測・立案すると同時に,種まき,水・肥料やり,雑草取りから収穫,運搬,箱詰め,出荷までの工程をすべてロボットで行なうことができる。このような構図はあらゆる産業において適用可能であり,さらには高齢者の生活を見守るための安否確認サービス,自動運転技術(→自動運転車)など,広範に応用できる。(→計算機科学

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

知恵蔵 「モノのインターネット」の解説

モノのインターネット

IoT」のページをご覧ください。

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android