モネ(Jean Monnet)(読み)もね(英語表記)Jean Monnet

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

モネ(Jean Monnet)
もね
Jean Monnet
(1888―1979)

フランスの経済テクノクラート。フランス南西部コニャック市の生まれ。酒造業者の子として早くから海外での売り込みに従事した経験を買われて、第一次世界大戦中のフランスの海外物資買付けを担当して活躍した。戦後は国際連盟事務局次長(1919~1923)を務めたほか、多くの国際機関に経済専門家として参加した。第二次世界大戦に際してはふたたび英仏のため軍需物資買付けに奔走する一方ドゴールの国民解放委員会に参加し連合国間でのドゴールの地位向上に寄与した。大戦後は「モネ計画」ともよばれたフランス経済近代化計画の立案と実施に貢献した(1947~1953)ばかりでなく、ヨーロッパ石炭鉄鋼共同体創設を目ざして1950年に発表された「シューマン計画」の立案にも参画し、共同体の初代議長(1952~1955)を務めた。ロベール・シューマン仏外相と並んでヨーロッパ統合の最大の功労者。著書に『回想録』(1976)がある。

[平瀬徹也]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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