モウセンゴケ科(読み)もうせんごけか

日本大百科全書(ニッポニカ) 「モウセンゴケ科」の意味・わかりやすい解説

モウセンゴケ科
もうせんごけか
[学] Droseraceae

双子葉植物、離弁花類。すべて食虫植物で、多年草であるが、まれに一年草もある。葉は展開の初期には渦巻状で、托葉(たくよう)はない。花は両性放射相称をなし、総状花序をつくる。萼片(がくへん)、花弁ともに4~5枚、花弁は離生する。雄しべは4~5本であるが、まれに20本のものもある。花柱は3~5本、先端は単純または分裂する。子房は上位で1室、3~5心皮からなる。蒴果(さくか)を結ぶ。普通は葉の表面に腺毛(せんもう)があり、この腺毛から粘液を出し、小動物が腺毛に触れるとこの粘液でとらえ、消化する。多くは水湿地に生え、世界に6属120種、日本にモウセンゴケ属5種とムジナモ属1種が分布する。

[小林純子 2020年12月11日]

 APG分類でもモウセンゴケ科とされる。この分類によると、世界に3属約100種、日本にはモウセンゴケ属6種、ムジナモ属1種が分布する。

[編集部 2020年12月11日]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「モウセンゴケ科」の意味・わかりやすい解説

モウセンゴケ科
モウセンゴケか
Droseraceae

双子葉植物サラセニア目の1科。代表的な食虫植物の科で,モウセンゴケ属 Droseraが世界のほぼ全域に分布するほか,ムジナモ属 Aldrovanda,ハエトリソウ属 Dionaeaなど4属約 100種がある。大部分は湿地に生じる多年草であるが,ムジナモ属は池沼の水中に生育する。小型の両性花を総状または巻散花序につけ,下方のものから次々に開花する。萼片,花弁は4~5枚,おしべは5本で,果実は蒴果となる。なお,小昆虫などの捕獲はモウセンゴケ属では葉面の粘毛で,ムジナモ,ハエトリソウ両属では感覚毛の刺激による葉 (ムジナモでは捕虫嚢という) の開閉で行う。

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