ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「メーリング」の意味・わかりやすい解説
メーリング
Mehring, Franz
[没]1919.1.29. ベルリン
ドイツの歴史家,文芸評論家。ベルリン大学,ライプチヒ大学で文献学を修め,ジャーナリストとなる。 1878年以降ビスマルクの社会主義者鎮圧法に反対し,89年以降マルクス主義者として社会民主党の機関誌『ノイエ・ツァイト』の編集に参加,政治的主張を展開した。ドイツ共産党の前身スパルタクス団の主要メンバー。『ドイツ社会民主党史』 Geschichte der deutschen Sozialdemocratie (4巻,1897~98) をはじめ,歴史や社会主義に関する多くの著述があるが,文学の領域では『レッシング伝説』 Lessing Legende (93) が,マルクス主義文学研究の古典といわれている。
メーリング
Mering, Joseph, Freiherr von
[没]1908.1.5. ハレ
ドイツの医師,生理学者,薬理学者,実験病理学者。ストラスブールで医師となり,1890年ハレに移り,1900年に病院長となった。 O.ミンコフスキーとの共同研究でイヌの膵臓を摘出すると糖尿病の症状が生じることを発見。これがのちのインスリンの発見につながった。次いで鎮痛鎮静剤の研究に手を染め,E.フィッシャーと協力して鎮静・催眠剤のバルビタールを開発した。
メーリング
Mehring, Walter
[没]1981.10.3. チューリヒ
ドイツの詩人,劇作家。表現主義の抒情詩人として出発し,やがてダダにいたる。仮借ない政治的風刺詩を書き,ナチス時代はフランス,アメリカで亡命生活をおくった。詩集のほか,戯曲『ベルリンの商人』 Der Kaufmann von Berlin (1929) ,回想記『ベルリン・ダダ』 Berlin-Dada (59) などがある。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報