日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
メレアグロス(古代ギリシアの詩人)
めれあぐろす
Meleagros
生没年未詳。古代ギリシアの詩人。紀元前100年ごろに活躍し、アレクサンドリア時代後期を代表する。カダラの出身で、晩年コス島でアルキロコスからこの時代までのエピグラム選集を編んだという。これに自作130編余りを加えて詩選集『花冠』Stephanosを後世に残し、これが『パラティン詞華集』の中核となる。彼の作品はほとんど恋愛詩で、作風は精妙華麗である。アスクレピアデスなど先人の作品の翻案物も少なくない。美辞麗句に異国風の趣(おもむき)が濃いのは、シリアで生まれ、ギリシア、シリア、フェニキアの三言語を併用した彼の出身を暗示している。
[伊藤照夫]
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