日本大百科全書(ニッポニカ) 「メアリー(2世)」の意味・わかりやすい解説
メアリー(2世)
めありー
Mary Ⅱ
(1662―1694)
スチュアート朝のイギリス女王(在位1689~94)。ヨーク公ジェームズ(後のジェームズ2世)の長女として生まれ、プロテスタントの教育を受けて成長した。1677年オランダのオレンジ公ウィリアム(オラニエ公ウィレム)のもとに嫁し、イギリス、オランダ両国民の祝福を受けたが、父の即位後は夫と父の対立から微妙な立場にたたされた。88年の名誉革命に際して母国より招請を受け、89年権利宣言を受諾して、夫ウィリアム(3世)とともにイギリス史上では異例の共同王位についた。病弱で子に恵まれず、権利章典の規定によって夫の死(1702)後は妹アンが王位を継いだ。
[大久保桂子]