ムール川(読み)むーるがわ(英語表記)Mur

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ムール川」の意味・わかりやすい解説

ムール川
むーるがわ
Mur

ヨーロッパのアルプス東部に発し、クロアチアハンガリー国境付近でドナウ川支流ドラバ川に注ぐ川。オーストリア中部、ザルツブルク州のアルプス山地に源を発し、シュタイアーマルク州を貫流して、スロベニア領に入った後、スロベニア‐クロアチア国境、クロアチア‐ハンガリー国境を流れる。全長454キロメートルのうち351キロメートルがオーストリア領。アルプス山中の谷底平野にあるレオーベンを中心に、オーストリアの主要工業地域が沿岸に広がり、鉄鋼、化学繊維、製紙工業などが集まる。オーストリアでは工場廃水により汚染が著しい唯一の川である。

[前島郁雄]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ムール川」の意味・わかりやすい解説

ムール川
ムールがわ
Mur

スロベニア,クロアチア,ハンガリーではムラ Mura。オーストリア南部,スロベニアとクロアチアの北部を流れる,ドラウ川の支流。全長 444km。オーストリア南東部,シュタイアーマルク州,ニーデレタウエルン山地南西部に源を発し,山脈沿いに東流。レオーベン東方のブルックから南流し,グラーツを経てスロベニアに入り,クロアチアとハンガリーとの国境でドラウ川に合流する。流域にはグラーツなど各所に発電所が設けられている。オーストリアで有数の鉱工業地帯を流れるため,水質の汚染,汚濁が問題となっている。

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