ムワタヤンボ王国(読み)ムワタヤンボおうこく

改訂新版 世界大百科事典 「ムワタヤンボ王国」の意味・わかりやすい解説

ムワタ・ヤンボ王国 (ムワタヤンボおうこく)

かつて中部アフリカに存在していたルンダ族Lundaの王国。ムワタ・ヤンボMwata Yamvoという称号をもつ支配者に統治されていたことからこの名がある。現在のコンゴ民主共和国南部に興ったもので,1600年ころチビンダ・イルンガChibinda Ilungaによって建国された。彼はルバ族の国からこの地に移り住むと,ルンダ族の女王ルウージュと結婚し,ルンダ族の社会をルバ型の中央集権的国家へと再編成して,ムワタ・ヤンボとなった。王国は中部アフリカで最も強大な王国となり,その影響で,周辺にもしだいにルンダ族の移住民による中央集権国家が数多く打ち建てられるようになっていった。たとえば,現在のザンビアに17世紀に創設されたムワタ・カゼンベMwata Kazembe王国は,その代表的なものである。これらの王国は19世紀末までに衰退し,ヨーロッパ列強の植民地支配下に組み込まれていった。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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