ムラビヨフアムールスキー

精選版 日本国語大辞典 の解説

ムラビヨフ‐アムールスキー

(Nikolaj Nikolajevič Murav'jov-Amurskij ニコライ=ニコラエビチ━) ロシア軍人政治家。一八四七年東部シベリア総督となり、アムール川黒龍江地方植民。一八五八年清と愛琿(あいぐん)条約を結びアムール川以北を獲得、ロシアの極東経営に尽くした。(一八〇九‐八一

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改訂新版 世界大百科事典 の解説

ムラビヨフ・アムールスキー
Nikolai Nikolaevich Murav'yov-Amurskii
生没年:1809-81

ロシアの政治家,歩兵大将,伯爵。中央幼年学校卒業後トルコとの戦争(1828-29)やポーランドの十一月蜂起の鎮圧(1831)に従軍した。1846年トゥーラ県知事,47-61年イルクーツク県およびエニセイ県知事兼東シベリア総督をつとめた。政治的には農奴解放を主張する自由主義的意見の持主であったが,同時にロシアの極東進出をはかり,東シベリアにおける拓殖通商の促進に力を尽くした。ネベリスコイ将軍指揮下のアムール河口の調査やサハリンムラビヨフ哨所建設に援助を与えるとともに,54-55年にはみずからアムール川の探検と調査を行った。また58年清国との間に璦琿(あいぐん)条約を締結し,ロシア全権として署名した。ロシアはこの条約によりアムール川左岸の土地を得たが,ムラビヨフはこの功によりアムール伯の称号を授与された。
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