ムラサキホコリカビ(紫埃黴)(読み)ムラサキホコリカビ(英語表記)Stemonitis

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

ムラサキホコリカビ(紫埃黴)
ムラサキホコリカビ
Stemonitis

変形菌類,外生胞子類ムラサキホコリカビ科。腐朽した材の上に発生し,木の幹,落ち葉,草の茎などの上にも出る。全世界に分布し,その種類は変種を含めて 10種以上が数えられる。子実体は円柱状,下部は黒色の柄となり,多数が束状に並んで変形体の乾燥したところに着生する。各子実体は柄に続く柱軸を有し,それから立体的に生じた分枝はさらに細かく分れて,その先が互いに結んで子実体の表面を形どる網目となる。子実体が成熟すると,その中に多数の紫褐色の胞子を生じ,軽くたたけば子実体は簡単に崩壊して胞子が飛散し,子実体の網目が残る。胞子は球形,表面に微小突起が密生している。日本ではしばしば S. spledensがマツ類の樹上に生じるのが知られている。

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