ムベ(郁子)(読み)ムベ(英語表記)Stauntonia hexaphylla

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ムベ(郁子)」の意味・わかりやすい解説

ムベ(郁子)
ムベ
Stauntonia hexaphylla

アケビ科常緑のつる植物で,トキワアケビまたはウベともいう。本州中南部から台湾の暖地山地に生え,庭木としても植えられる。葉は5~7枚の楕円形の小葉から成る掌状複葉で,長い柄があって互生する。小葉も柄をもち全縁で,平滑な革質で3本の主脈が目立つ。若い葉は3枚の小葉から成ることが多い。雌雄同株で,初夏,葉腋から雄花雌花の花序を別々につける。花は花弁を欠き,紅紫色を帯びた萼片が6枚ある。雄花は雌花より小型で数も多く,退化しためしべがある。雌花には3個の子房と不稔のおしべがある。果実は卵円形で紫色の液果でアケビに似ているが熟しても裂開しない。果肉は甘い。

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