ムハンマド・ゴーリー(英語表記)Muhammad Ghūrī

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ムハンマド・ゴーリー」の意味・わかりやすい解説

ムハンマド・ゴーリー
Muhammad Ghūrī

[生]1172/1173
[没]1206
アフガニスタンのゴール地方のムハンマド家 13代目当主。初めはシハブ・ウッディーン (次にはムイッズ・ウッディーン) ・ムハンマドといった。兄のシャムス・ウッディーン (ギヤス・ウッディーン) とともにガズニー朝を滅ぼし,地方政権を糾合してゴール朝の最盛期を画した。兄によってガズニースルタンとして任命されて以後は,ここを根拠地としておもに北インド経略を目指した。 1202/3年には兄の位を継いだ。みずからスンニー (正統) 派イスラム教徒をもって認じ,デリーも掌握したが,パンジャブ遠征の帰途イスマーイール派によってインダス河畔で殺された。以後ゴール朝は衰退した。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「ムハンマド・ゴーリー」の解説

ムハンマド・ゴーリー
Muḥammad Ghōrī

?~1206(在位1202~06)

アフガニスタンのゴール朝君主称号はシバーブ・アッディーン,のちにムイッズ・アッディーン。兄ギヤース・アッディーンの命で1175年以降インド侵入を繰り返し,91年ラージプート軍を破り,のちにはベンガルにまで進出した。1202年,兄の死で君主となり,ホラーサーンをめぐってホラズム・シャー朝と戦ったが,06年暗殺され,部下たちが自立して王朝は衰退した。

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