ムツアシガニ(英語表記)Hexapus sexpes

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ムツアシガニ」の意味・わかりやすい解説

ムツアシガニ
Hexapus sexpes

軟甲綱十脚目ムツアシガニ科 Hexapodidae。甲は幅 1.5cmほどの横長の四角形で,前後に湾曲して筒形を呈する。歩脚は 3対のみで,カニ類なかでは例外的な存在相模湾以南のインド西太平洋海域に広く分布する。ムツアシガニ科のカニは世界で約 20種が知られており,日本産は本種のほかにヒメムツアシガニ Hexapus anfractus,トウヨウムツアシガニ Hexalaughlia orientalis,メダマムツアシガニ Hexaplax megalops が知られている。(→甲殻類十脚類節足動物軟甲類

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ムツアシガニ」の意味・わかりやすい解説

ムツアシガニ
むつあしがに / 六脚蟹
[学] Hexapus sexpes

節足動物門甲殻綱十脚(じっきゃく)目ムツアシガニ科に属するカニ。歩脚が3対のみであるのが特徴。甲幅2センチメートルほどに達し、横長で、やや円筒状。甲面には小さなくぼみが多く、あばた状を呈する。浅海泥底のスゴカイ類の棲管(せいかん)に入って生活していると考えられている。相模(さがみ)湾から南方オーストラリア、インドまで分布する。近縁種にヒメムツアシガニH. anfractusやトウヨウムツアシガニThaumastoplax orientalisなどがある。

[武田正倫]

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百科事典マイペディア 「ムツアシガニ」の意味・わかりやすい解説

ムツアシガニ

甲殻類エンコウガニ科のカニ。名のとおり歩脚は3対。甲は横に広い四角形で,甲長1cm,甲幅1.5cmくらい。色は淡灰色。相模湾〜インド洋に分布し,ゴカイ類の巣管に共生する。

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