ムシトリスミレ(虫取菫)(読み)ムシトリスミレ(英語表記)Pinguicula vulgaris; bog violet

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

ムシトリスミレ(虫取菫)
ムシトリスミレ
Pinguicula vulgaris; bog violet

タヌキモ科多年草で,食虫植物の一つ。北半球寒帯に広く分布し,日本では高山植物として有名である。高山の湿った岩壁や湿原に生える。茎はなく,葉は長さ3~5cmの長楕円形ないし狭卵形で短い柄があり,数枚が根生してロゼット状に広がる。葉は淡緑色で,縁はやや内側へ曲り,葉面には無数の小腺毛があって,これから粘液を出し小昆虫を捕える。夏,葉の間から1~3本の花茎を出し,その先端に鮮紫色の花を1つずつ横向きにつける。花の形がスミレに似ているので,この名がある。おしべ2本とめしべ1本があり柱頭は広がっている。果実は球形蒴果で,種子淡褐色で細かい。近縁種にコウシンソウ (庚申草)がある。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android