ムシクサ(読み)むしくさ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ムシクサ」の意味・わかりやすい解説

ムシクサ
むしくさ / 虫草
[学] Veronica peregrina L.

ゴマノハグサ科(APG分類:オオバコ科)の一年草。茎はまばらに分枝して立ち、高さ10~20センチメートル。葉は茎の下部では対生、上部では互生し、披針(ひしん)形。4~5月、上部の葉腋(ようえき)からごく短い花柄を出し、径2ミリメートルの淡紅色花を開く。蒴果(さくか)は心臓形で、ときに虫こぶができることから、ムシクサの名がついた。田畑雑草で、本州から沖縄、およびアジア、ヨーロッパ、アメリカ、オーストラリアに広く分布する。

[久保多恵子 2021年8月20日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「ムシクサ」の意味・わかりやすい解説

ムシクサ

ゴマノハグサ科の一年草。本州〜九州湿地にはえ,北半球に広く分布する。茎は高さ10〜20cm,葉は広線形で,上部の葉は互生,下部では対生し長さ2cm内外。初夏,葉腋に1花を開く。花冠白色で径約5mm。子房甲虫幼虫が入り,虫こぶとなっていることが多い。

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