日本大百科全書(ニッポニカ) 「ムカシカワトンボ」の意味・わかりやすい解説
ムカシカワトンボ
むかしかわとんぼ / 昔河蜻蛉
昆虫綱トンボ目ムカシカワトンボ科Amphipterygidaeの昆虫の総称。カワトンボ群全体の祖先型と考えられる1科で、はねの結節前横脈は2個以上ある。現在、遺存的に次の5属が知られている。フィロガンガ属Philoganga(中国、ミャンマー(ビルマ)、アッサム地方)、デバダッタ属Devadatta(南アジア東部)、ディフレビア属Diphlebia(オーストラリア)、アンフィテリックス属Amphipteryx(中央アメリカ)、ペンタフレビア属Pentaphlebia(アフリカ熱帯部)。一般に体躯(たいく)の太いカワトンボで、はねを開いて静止する。幼虫の尾鰓(びさい)には特異な構造があり、流れのある川底に生息している。
[朝比奈正二郎]