精選版 日本国語大辞典 「ミルン」の意味・読み・例文・類語
ミルン
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
イギリスの童話作家,劇作家,エッセイスト。ケンブリッジ大学を卒業後,《パンチ》誌の編集者となるが,劇作に入る。J.M.バリーの流れをくむ明るい喜劇ものを得意とした。《ワーゼル・フラマリー》(1917),《ピム氏のお通り》(1919),《蟇(ひきがえる)館の蟇》(1929)などが好評を博する。結婚して長男のクリストファー・ロビンが生まれると,彼を寝かしつけるためのおとぎ話を作る必要から,クリストファー・ロビンを主人公とした童話《ぼくたちが小さかったとき》(1924),《ぼくたちは6歳》(1927)などを書いた。そして,それが発展して熊のぬいぐるみを主人公にした《クマのプーさん》(1926),《プー横丁に建った家》(1928)が誕生する。プーさん,クリストファー・ロビン,ロバのイーヨー,子豚など,どれもあどけなく,たどたどしい感じが,E.H.シェパードのかわいい挿絵とともに童心によくかない,20世紀で最も成功した童話の一つとなった。そのほかに探偵小説《赤い館の秘密》(1922)がある。
執筆者:出淵 博
イギリスの理論天体物理学者。ハルに生まれ,ケンブリッジ大学に学ぶ。マンチェスター大学を経て1929年よりオックスフォード大学の教授となる。初め星の大気構造,吸収線形成の理論,つづいて星の内部構造を研究し,これらの理論の初期の発達に大きく貢献した。ケンブリッジ大学のA.エディントンはしばしば協力あるいは互いによい論敵となった。たとえば星の吸収線に関するミルン=エディントンの大気モデルは,原子の線吸収係数と連続吸収係数との比が星の大気各層を通じて一定であることを特徴とし,吸収線の生ずる層を別に考えるシュスター=シュワルツシルトの大気モデルと対比される。内部構造論では,その微分方程式の原点において無限大となる解も物理学的意味を考慮すれば捨てるわけにはいかない(ミルン解,あるいはM解と呼ぶ)ことを力説するなど,独自の理論を展開したこともある。32年以後は宇宙論と取り組み,運動学的宇宙論という独特な膨張宇宙の理論を展開した。宇宙の一様性を唱える等価原理の概念は,ミルンが初めて提唱したものである。
執筆者:大沢 清輝
イギリスの鉱山技師,地震学者。リバプールの生れ。ロンドン大学キングズ・カレッジと王立鉱山学校を卒業。1876年26歳のとき工部省工学寮の招請によって来日,工部大学校において地質学,鉱山学を講じた。80年2月22日の横浜強震が動機となって日本地震学会が発足することになったが,その第1回総会は同年4月26日に開かれ,副会長のミルンは〈日本における地震学〉と題して演説,研究の方向を示した。彼の研究は,地震計の製作,地震観測網の整備,地震予知,震災対策など地震学のきわめて広い範囲にわたっている。主著には《地震とその他の地球の運動》(1886),《地震学》(1898)がある。94年帰国したが,その後も自宅に地震観測所をつくり,イギリス科学協会の地震委員会幹事を務めるなどした。彼の妻は日本人堀川トネで,ミルンの死後郷里の北海道函館へ帰った。
執筆者:藤井 陽一郎
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
(三好信浩)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
1850.12.30~1913.7.31
イギリスの地質学者。リバプール生れ。王立鉱山学校卒。1876年(明治9)御雇外国人として来日。工部大学校で地質学と鉱山学を教えた。鉱物や火山を研究し,80年の横浜地震を契機として外国人学者による日本地震学会を設立し,副会長となった。地震学の研究に進み,地震学の父といわれた。地震計の製作,地震観測網の整備,地震予知・震災対策などの研究を提唱。95年帰国。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
出典 旺文社日本史事典 三訂版旺文社日本史事典 三訂版について 情報
…架空世界を取り扱った物語は,J.インジェローの《妖精モプサ》(1869),G.マクドナルドの《北風のうしろの国》(1871),R.キップリングの《ジャングル・ブック》(1894),E.ネズビットの《砂の妖精》(1902),K.グレアムの《たのしい川べ》(1908),J.M.バリーの《ピーター・パンとウェンディ(ピーター・パン)》(1911),W.デ・ラ・メアの《3びきのサル王子たち》(1910)にうけつがれ,ファージョンE.Farjeon《リンゴ畑のマーティン・ピピン》(1921)は空想と現実の美しい織物を織り上げた。さらにA.A.ミルンの《クマのプーさん》(1926)が新領域をひらき,J.R.R.トールキンの《ホビットの冒険》(1937),《指輪物語》(1954‐55)は妖精物語を大成する。C.S.ルイスが架空の国ナルニアの7部の物語(《ナルニア国ものがたり》1950‐56)で善悪の問題を取り扱い,トラバーズP.L.Traversの〈メリー(メアリー)・ポピンズ〉5部作(1934‐82)はユーモアをこめて新しい魔女をつくり出し,ノートンM.Nortonも人間から物を借りてくらす小人たちのミニアチュア世界を5部作(1952‐82)で描いてみせた。…
…現在一般に受け入れられている立場は,宇宙は一様かつ等方であって,その大局的な特徴は宇宙のどの場所で眺めても同じであるとするものである。この仮定は,イギリスのE.A.ミルンに従って宇宙原理と呼ばれている。この立場に立てば宇宙には中心とか端の区別はない。…
※「ミルン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...
3/11 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
2/13 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
1/12 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
12/11 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
11/10 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新