ミュールハウゼン(英語表記)Mühlhausen

デジタル大辞泉 「ミュールハウゼン」の意味・読み・例文・類語

ミュールハウゼン(Mühlhausen)

ドイツ中部、チューリンゲン州の都市。8世紀ごろの集落に起源し、13世紀に神聖ローマ帝国の直轄都市となった。15世紀にハンザ同盟加盟。旧市街には市庁舎、聖マリエン教会バッハがオルガン奏者を務めた聖ブラジウス教会など歴史的建造物ほかドイツ農民戦争の指導者ミュンツァー居館博物館がある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ミュールハウゼン」の意味・わかりやすい解説

ミュールハウゼン
みゅーるはうぜん
Mühlhausen in Thüringen

ドイツ中部、チューリンゲン州の都市。人口3万8700(2000)。衣料品、皮革、自動車部品の産業がある。同市の史料上の初見は775年にさかのぼるが、10、11世紀のころ頻繁に国王皇帝の滞在するところとなり、1180年帝国都市となった。1420年以来ハンザ同盟に加入。1525年のドイツ農民戦争に際しては、急進勢力の中心となり、神学者で農民指導者のトマス・ミュンツァーの活動舞台となった。近隣のフランケンハウゼンの戦い(1525.5.15)で農民団が敗れたのち、ミュンツァーはここで処刑され、ミュールハウゼンは1548年まで帝国都市の資格を剥奪(はくだつ)された。1802年プロイセン領に属す。中世都市おもかげをよく残し、ミュンツァーの居館、同博物館がある。

[瀬原義生]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ミュールハウゼン」の意味・わかりやすい解説

ミュールハウゼン
Mühlhausen

ドイツ中部,チューリンゲン州の都市。エルフルト北西約 50kmに位置する。 775年の記録に名のみえる古い集落。早くから特権を認められ,1198年にはフィリップフォンシュワーベンがここでドイツ国王となった。 1256年からは神聖ローマ帝国の直轄都市になったが,1420年頃ハンザ同盟に加入。宗教改革後は,改革運動の本拠地となり,農民戦争 (1523~25) では,指導者 T.ミュンツァーと連合した。このため特権を剥奪されたが,1548年再び権利を得た。 1802年から 1945年までは (ウェストファーレンに属した 1807~15年を除き) プロシアのプロウィンツザクセン (現在のザクセンアンハルト州) に属した。 13世紀の市庁舎,聖マリエン教会,J.S.バッハ設計のパイプオルガンがある聖ブラジウス教会のほか,中世の要塞の遺構がある。教育大学,農業学校,民俗博物館などの文化施設があり,繊維,皮革,機械,電気機器,木製品などの工業が立地。人口4万 1075 (1991推計) 。

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