ミトゲン線(読み)ミトゲンせん(英語表記)mitogenetic rays

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ミトゲン線」の意味・わかりやすい解説

ミトゲン線
ミトゲンせん
mitogenetic rays

細胞分裂誘起線。生物の細胞分裂や成長の盛んな組織から放射されて,有糸分裂頻度を著しく高めると想像された放射線。ソ連の生物学者 A.グルビッチがその存在を主張 (1929) したのでグルビッチ線ともいう。最初の実験では,1本のタマネギの根の先端を他の根の先端に対して直角に接近させておくと,前者に面した後者側面で有糸分裂の頻度が高まることを示し,これは 2000Åぐらいの波長の紫外部の放射線によると主張した。しかし,その後多くの追試の結果,今日では一般には認められていない。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android