ミシュテカ文化(読み)みしゅてかぶんか

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ミシュテカ文化」の意味・わかりやすい解説

ミシュテカ文化
みしゅてかぶんか
Mixteca

メキシコのオアハカ地方に発展した文化。ミシュテカ人は古典期(300ころ~900ころ)には、サポテカ文化に隣接する谷間高原に住んでいたが、後古典期(900ころ以降)になるとオアハカ谷にも進出し、モンテ・アルバンミトラを占拠するような拡大を始めた。モンテ・アルバンの第7号墓の副葬品は、後古典期のミシュテカ文化の粋(すい)を集めたものである。金、銀、銅、骨、ひすいその他を加工した装身具類が300点以上発見された。また、赤、黄、黒、白などの鮮やかな多彩色を駆使した土器も優れている。この独得の多彩色土器は、チョルーラからミシュテカ地方にかけての交流のなかから生まれたものと考えられている。

[大貫良夫]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のミシュテカ文化の言及

【オアハカ文化】より

…メキシコ,オアハカOaxaca州を中心に展開したサポテカ文化とミシュテカ文化をいう。サポテカ文化は,モンテ・アルバン遺跡を中心に,前7世紀ころオルメカ文化の影響を受けつつ誕生した。…

※「ミシュテカ文化」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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