ミキサー(英語表記)mixer

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精選版 日本国語大辞典 「ミキサー」の意味・読み・例文・類語

ミキサー

〘名〙 (mixer)
電動機により小型の羽根車を回し、果実などを砕き、混合する機械。
※四角な卵(1954)〈永井龍男〉ざくろの実「台所で使うミキサーが故障で」
セメント・砂・砂利・水などを混合攪拌(かくはん)してコンクリートを作る機械。コンクリートミキサー
セメント樽の中の手紙(1926)〈葉山嘉樹〉「ミキサーはやがて空廻りを始めた。コンクリがすんで」
③ 録音スタジオなどで、二系統以上の音声信号を混合するための装置、およびその操作に携わる技術者。
※百万人の映画知識(1950)一〈山本薩夫〉「キャメラマン、ミキサー〈略〉等と検討されて撮影開始とならなければならない」

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デジタル大辞泉 「ミキサー」の意味・読み・例文・類語

ミキサー(mixer)

筒状の容器の底に取り付けた刃を小型モーターで回転し、果実・野菜などを細かく砕いてジュースにする電気器具
工業用原料を混合する機械。特に、コンクリートミキサー
放送局やコンサート会場、レコーディングスタジオなどで、複数の音声や映像などを調整する装置。また、その操作をする人。大型の装置はミキシングコンソールともいう。

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改訂新版 世界大百科事典 「ミキサー」の意味・わかりやすい解説

ミキサー
mixer

電気工学用語。放送の分野では,ミクサーともいう。放送やレコード録音,拡声などにおいて,いくつかのマイクロホンで収音した音,あるいはすでに録音してあるテープやレコードの音などを,それぞれの相対的なレベル(音の大きさ)や音色,さらに全体のレベルを調整しながら混合し,一つの演出意図にそった音の作品に作り上げる作業をミクシングと呼ぶが,このために使われる電気的な装置をミクサーという。ミクシング増幅器アンプ),混合増幅器ともいい,またスタジオのコントロール・ルームで使われるような据置形のものは音声調整卓あるいはミクシング・コンソールと呼ばれることが多い。入力チャンネル数が3~4程度の少数,小型のものから,数十に及ぶような大型のものまで規模は多様であるが,内部の基本的な構成に大きな違いはない。まずマイクロホンからの信号は一般にレベルが低いのでそれぞれアンプで増幅し,他のテープ再生機などからの入力信号と同等のレベルにする。これらは必要に応じて,周波数特性を変えて音色を加工,調整するためのイコライザーを通し,レベル調整のための減衰器フェーダーと呼ばれる)を経て出力チャンネルの選択回路または音像定位回路に入る。それぞれの入力信号はここでどの出力チャンネルに出ていくか,あるいはステレオの音像の定位方向を決められた後,出力チャンネルごとに混合され,最終的な信号のレベルを調整する出力フェーダーやアンプを経て送り出される。信号の出力レベルを監視するために,音楽や声など変動する信号の平均的なレベルを指示するVU計ピークレベルを指示するピークメーターが使用されるほか,エコー付加装置など他の効果機器との信号の受渡しのための回路などが設けられるのがふつうである。出力チャンネル数はステレオ用として2が一般的であるが,レコード録音などでは4以上の多チャンネルのものが使われることが多い。業務用以外にもアマチュア録音用として小規模ながら多機能な製品があるが,簡易形として,抵抗混合回路とフェーダーだけのアンプを含まないものもある。混合による損失が増えるので入力数は3~4にとどまるが電源が不要であり,手軽にミクシングを楽しめる利点がある。また,ラジオ,テレビなど放送受信機や無線通信機器の構成部分で,入力の高周波信号と別の発信回路からの高周波信号を混合して,それぞれの周波数の差の周波数に変換する回路の混合部をミクサーという。
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ミキサー
mixer

野菜や果物などの食品を細分,攪拌(かくはん),混合,製粉などする調理器。一般に電動機を動力とし,毎分2500~1万3000回転でカップ内部のカッターを回転させる。日本で初めて発売されたのは1948年で,アメリカのハウザー博士の,生ジュースを勧める《若く見え長生きするには》が日本でもベストセラーとなり,52年ころにはミキサー・ブームとなった。現在は年間生産170万台前後で普及率は50%台。攪拌のみを行うハンドミキサーも製菓などの際に用いられている。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ミキサー」の意味・わかりやすい解説

ミキサー
みきさー
mixer

混合するための機器、またはその機器を用いて混合する人の意で用いる。とくにエレクトロニクス関係者はミクサーとよぶ。

 家庭では、果物や野菜などを粉砕、攪拌(かくはん)してジュースなどをつくる電気器具をいう。工事場では、コンクリートと砂利を混合するコンクリートミキサーをいう。

 スタジオでは、ラジオやテレビ放送などにいくつかのマイクロホンやテレビカメラからの信号を適宜組み合わせて、効果的な音響・映像をつくる装置またはそのオペレーターをいう。

 受信機では、到来した無線周波数の信号と局部発振回路からの出力を非線形素子で混合し中間周波数に変換する回路をミクサーとよび、素子をミクサーダイオードという。

[岩田倫典]

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百科事典マイペディア 「ミキサー」の意味・わかりやすい解説

ミキサー

(1)コンクリートミキサーの略。(2)家庭電気器具。耐熱ガラス製ボトルの底にあるカッターをモーターで高速回転させ,食品調理の際の攪拌(かくはん),混合,製粉,製汁に使用。一般に出力150〜230W,回転数は毎分2500〜1万3000回転。(3)ミクサーとも。放送施設において,2チャンネル以上の信号を希望する比率で混合し,音質,音量,映像などの特性を調整する装置。主としてピックアップやマイクロホンの出力を混合して増幅器(アンプ)に入れる場合に使用される。
→関連項目ジューサー

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ミキサー」の意味・わかりやすい解説

ミキサー
mixer

電力による混合装置。一般には食品を混合するフードミキサー food mixerをいう。大規模な調理用としては,単に各種の食材を混合するためのミキサーがあるが,日本で普通にミキサーという名称で製作販売されているものは,固形物と液状物を細かく切断し混合するもので,おもに果物や野菜のジュースをつくるのに用いられる。耐熱ガラス製のカップの底部にカッターがあり,高速で回転して粉砕と混合をする。またカッターを取りはずして,ジュースしぼり器,肉ひき器,野菜裁断器などを取付け,多目的に使用できるものもある。

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食器・調理器具がわかる辞典 「ミキサー」の解説

ミキサー【mixer】

主としてジュースやポタージュにするために、果物や野菜を粉砕・攪拌(かくはん)・混合する電動の調理器具。水分を多く含む食材や、食材に水や牛乳などの液体を加えて調理するときに用いる。◇「ブレンダー」ともいう。

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ASCII.jpデジタル用語辞典 「ミキサー」の解説

ミキサー

複数の音楽データや音の信号を、1つにまとめる機能や機器のこと。

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栄養・生化学辞典 「ミキサー」の解説

ミキサー

 食品などを細切するための装置で,回転する刃を備えている.

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世界大百科事典(旧版)内のミキサーの言及

【捏和】より

…粘稠物質は一般に温度の影響を強く受け,とくにその流動性は温度上昇とともに急激によくなるので,操作の容易性と製品品質の点から操作温度が決められる。 捏和装置としてはニーダーkneader(図1),ミキサーmixer,混練機,捏練機などと呼ばれる種々の型式のものがある(図2にシグマ型双腕捏和機を示す)。これらは強力な剪断作用を原料全体にまんべんなく繰り返して与え,原料の停滞付着部が生じないように容器およびかくはん翼などの形状がくふうされ,がんじょうな構造を有し,水蒸気や冷却水を通すジャケットなどの加熱・冷却機構を備えたものも多い。…

※「ミキサー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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