ミカンコナジラミ(読み)みかんこなじらみ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ミカンコナジラミ」の意味・わかりやすい解説

ミカンコナジラミ
みかんこなじらみ / 蜜柑粉虱
[学] Dialeurodes citri

昆虫綱半翅(はんし)目同翅亜目コナジラミ科Aleyrodidaeに属する昆虫。蛹殻(ようかく)は楕円(だえん)形で、長さが約1.3ミリ、幅が約1.1ミリ、周縁に小突起が列生する。管状孔は円形。雌成虫は体長約1.2ミリ、淡黄色であるが、全体的に白粉で覆われる。はねは白色不透明で、斑紋(はんもん)はない。雄成虫は雌より小形。5~6月、7月下旬~8月、9月中旬の年3回発生し、越冬態は蛹(さなぎ)(擬蛹)。ミカン類の大害虫であり、ほかにカキ、クチナシサルスベリにも寄生する。幼虫はおもに葉裏にみられる。本州以南の日本全土、中国、インド、南北アメリカなどに広く分布する。

[林 正美]

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世界大百科事典(旧版)内のミカンコナジラミの言及

【コナジラミ】より

…日本産の種類では,年3回発生のものが多く,5,7,9月ころ成虫が羽化し,幼虫かさなぎで冬を越す。最近,日本に侵入してハウス栽培のトマトやキュウリなどを加害するオンシツコナジラミ,各種病気のウイルスを媒介するタバココナジラミ,かんきつ類を害するミカンコナジラミ,アオキコナジラミなど,多くの重要な園芸害虫がいる。コナジラミの害は,高密度の吸汁による場合もあるが,おびただしく排出される甘露に発生するすす病の害のほうが多い。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」