マーモセット(読み)まーもせっと(英語表記)marmoset

翻訳|marmoset

デジタル大辞泉 「マーモセット」の意味・読み・例文・類語

マーモセット(marmoset)

オマキザル科マーモセット亜科の哺乳類総称。小形のサルで、シルバーマーモセット・ピグミーマーモセットなどがあり、熱帯雨林分布

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精選版 日本国語大辞典 「マーモセット」の意味・読み・例文・類語

マーモセット

〘名〙 (marmoset) 霊長目マーモセット科(キヌザル科)の哺乳類の総称。小形の猿で、キヌザル・ライオンタマリンなどがあり、熱帯雨林に分布。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「マーモセット」の意味・わかりやすい解説

マーモセット
まーもせっと
marmoset

広義には哺乳(ほにゅう)綱霊長目マーモセット科に属する動物の総称であるが、狭義かつ普通にはそのうちのマーモセット属のみをさす。この属名のCallithrixはギリシア語で美しい毛を意味し、それにちなんでキヌザルともよばれる。

 マーモセット科Callithricidaeの仲間は、新世界ザル(オマキザル上科)を構成している二つのグループのうちの一つで、身体が小さく、リスかネズミほどのサイズである。このためにポケットモンキーの名もある。そのほか、足の母指を除いてつめは鉤(かぎ)づめである、歯式は

の計32本である(ただしゲルディモンキー

)などの点で、もう一つのグループであるオマキザル科とは区別される。マーモセット属、ピグミーマーモセット属CebuellaタマリンSaguinus、ライオンタマリン属Leontopithecus、およびゲルディモンキー属Callimicoの五つの属に分かれる。

 熱帯多雨林の中だけでなく、多くの場合それ以上に林縁や二次林、またもっと乾燥した植生に生息する。この類全体に共通した主要な食物は果実および昆虫クモなどで、小形の脊椎(せきつい)動物を食べるものもいる。マーモセット、ピグミーマーモセットおよびタマリンは、樹脂樹液もよく食べる。一般に数頭の集団で暮らしているが、このような集団が集まってより大きな地域集団をつくることがいくつかの種について報告されている。1産2子が普通で、3子もまれではない。マーモセットの種のほとんどは、人間の可聴域を超える高い周波数の音声超音波)を発する。

 マーモセット属は、かつては10以上の種に分けられたが、現在ではコモンマーモセットC. jacchus、フサミミマーモセットC. humeralifer、およびシルバーマーモセットC. argentataの3種にまとめられることが多い。コモンマーモセットはブラジル東部全域に、他の2種はアマゾン川下流南岸とその支流およびパラグアイ川上流に分布する。他のマーモセット科の属に比べてより乾燥した環境を好むといってよい。生態学的研究は皆無に近い。

[西邨顕達]


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百科事典マイペディア 「マーモセット」の意味・わかりやすい解説

マーモセット

キヌザルとも。霊長目マーモセット科の新世界ザルの総称。20〜30種に分けられる。アマゾン川流域を中心として,ブラジル,ギアナコロンビア,パナマに分布する。一般に小型で頭胴長20cmくらいのものが多く,外見上あまりサルらしくない。耳の長い毛房と尾の縞模様が特徴のコモンマーモセット,口ひげが特徴のクチヒゲタマリン,全身金色のゴールデンライオンタマリン等がいる。長く湾曲したかぎづめをもつ。一般に小集団を作り,果実や種子,昆虫などの雑食性。1産1〜2頭。
→関連項目サル(猿)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マーモセット」の意味・わかりやすい解説

マーモセット
Callithrix; marmoset

霊長目キヌザル科キヌザル属に属するサルの総称。一般に小型で,体長 15~25cm,尾長 25~40cm。親指の爪は扁爪 (ひらづめ) ,それ以外の指では鉤爪である。また下顎の門歯は鉤状で,犬歯と同じくらい長い。尾は長く,総尾で,縞模様があり,物に巻きつけることはできない。樹上性で,昆虫類,果実,種子,木の葉,根など植物質のものをおもに食べる。コモンマーモセット,ピグミーマーモセット C. pygmaeaなどが知られている。いずれも南アメリカの熱帯雨林や乾燥した落葉樹林などにすむ。

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改訂新版 世界大百科事典 「マーモセット」の意味・わかりやすい解説

マーモセット
marmoset

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世界大百科事典(旧版)内のマーモセットの言及

【キヌザル】より

…霊長目キヌザル科Callithricidaeに属する小型の新世界ザルの総称。マーモセット(イラスト)とも呼ばれる。マーモセットとは古いフランス語の〈小さくて変わったもの〉を意味する語によるという。…

※「マーモセット」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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