日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
マードック(William Murdock)
まーどっく
William Murdock
(1754―1839)
イギリスの機械技術者。スコットランドのオーキンレック付近で生まれる。1778年ソーホーのボールトン‐ワット商会に入り、1779年にはコーンウォールでワット機関の組立てを指導した。石炭ガスを照明に使うというフランスのルボンPhilippe Lebon(1767―1804)の研究を聞き、1792年レッドルースで石炭ガスの実験を始め、レトルト式の炉による石炭の乾留、ガスの洗浄などの装置を考案、1802年アミアンの和約を祝するためソーホー工場をガス灯で照明した。1806年レトルト・パイプ・バーナーを製作し、マンチェスターの工場に設置した。ワットと協力し、蒸気機関の改良にも優れた業績を残した。
[山崎俊雄]
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