マン(Horace Mann)(読み)まん(英語表記)Horace Mann

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

マン(Horace Mann)
まん
Horace Mann
(1796―1859)

アメリカの教育家。幼時貧困のうちに過ごしたが、苦学してブラウン大学を卒業、のち弁護士となる。1827年マサチューセッツ州議会議員となり、1835年から1837年まで州議会上院議長。この間、アメリカ最初の州教育委員会の設置に尽力した。1837年から1848年まで務めた州教育長Secretary在任中は、毎年、教育長年次報告書を作成。この州内の教育事情の調査報告書によって公教育の価値やその諸問題について大衆を広く啓蒙(けいもう)した。また、アメリカにおける最初の師範学校の設立(1839)に尽力したほか、教師の地位待遇の改善、教育施設の完備道徳教育実業教育振興にも努力した。その後、奴隷制反対のホイッグ党(アメリカ)員として連邦下院および上院議員に選ばれ(1848~1853)、最後にアンティオーク大学初代学長として活躍(1852~1859)。徹底した男女共学、黒人学生入学を断行し、新しい大学経営を行った。

[大江正比古]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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