マレクラ島(読み)マレクラトウ(英語表記)Malekula

デジタル大辞泉 「マレクラ島」の意味・読み・例文・類語

マレクラ‐とう〔‐タウ〕【マレクラ島】

Malakula南太平洋ニューヘブリディーズ諸島火山島バヌアツ領。同諸島第2の島で、エスピリトゥサント島のすぐ南に位置する。同国独立以前は、英国フランスの共同統治領だった。コプラコーヒーを産する。1960年代までカニバリズム儀礼があったことで知られる。マリコロ島

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改訂新版 世界大百科事典 「マレクラ島」の意味・わかりやすい解説

マレクラ[島]
Malekula Island

南西太平洋,バヌアツ共和国で2番目に大きな島。面積2023km2,人口1万9766(1999)。住民はメラネシア人で,かつては内陸部に住んでいた人々も現在はほとんど海岸部に移り住んでおり,ヨーロッパ人との接触の歴史は古い。内陸部はうっそうとした森林地帯で,現在でも約250人の,キリスト教を拒否している人々が住んでいる。このうち南部の人々はスモール・ナンバスと呼ばれている。ナンバスとはピジン・イングリッシュペニス・ケースのことであり,ヨーロッパ人のココヤシ農園主が男たちのつけているバナナの葉で作ったペニス・ケースを見て,彼らをスモール・ナンバスと呼んだ。北部の人々はこれに対してビッグ・ナンバスと呼ばれており,男たちのつけているパンダナスの葉を赤く染めて作った大きなふさのようなペニス・ケースがその名の由来である。彼らは100人余りでアモク村に住んでおり,他のマレクラ島民とは異なりカバを飲む習慣があり,割礼を行う。また同性愛が社会的に承認されており,同性愛者は政治的に高い地位につくことができる。スモール・ナンバスは死者頭骨を利用して死者に似せた像を作ることで知られている。また女性は,木の棒を歯にあて,その上を石でたたくことにより抜歯するという試練を経た後,妻の座を手にすることができる。豚を殺す儀式も行われ,人々はそれによってみずからの地位を上げていく。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「マレクラ島」の意味・わかりやすい解説

マレクラ島
まれくらとう
Malekula

太平洋南西部、メラネシアのバヌアツ(ニュー・ヘブリデス諸島)にある火山島。別名マリコロMallicolo島。エスピリツ・サント島のすぐ南にあり、同諸島第二の大島で、南北88キロメートル、東西24キロメートル、面積2023平方キロメートル、人口2万3752(1998)。最高峰はプノPenot山(892メートル)。バヌアツの独立前はイギリスとフランスの共同統治領で、島の南東端のサンドイッチにフランスの、東岸のブッシュマン湾に面するポート・スタンレーPort Stanleyにイギリスの政庁があった。硬木、コーヒーを産す。

[大島襄二]

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