日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
マレ(Serge Mallet)
まれ
Serge Mallet
(1927―1973)
フランスの政治・社会理論家。12月20日ボルドーに生まれる。16歳でレジスタンスに参加した。第二次世界大戦後、各種の左翼紙に執筆し、『ス・スワール』(共産党機関紙)通信員、「労働と文化」(労働総同盟の文化機関)書記を務めた。1958年フランス共産党を離党し、イタリア・マルクス主義の摂取によるマルクス主義の再生を企てた。1960年4月、統一社会党(PSU)の結成に参加、政治、労働運動の指導にあたり、またパリ第七大学教授も務めた。先進国における革命では、「新しい労働者階級」、つまり先端産業の労働者、青年幹部、技師、技術者層が主体とならねばならないと主張し、現代革命理論に大きな影響を与えた。
[瓜生洋一]
『海原峻・西川一郎訳『新しい労働者階級』(1970・合同出版)』▽『山内昶訳『労働者権力』(1972・河出書房新社)』