マルバネトビケラ(読み)まるばねとびけら

日本大百科全書(ニッポニカ) 「マルバネトビケラ」の意味・わかりやすい解説

マルバネトビケラ
まるばねとびけら / 丸翅石蚕
丸翅飛螻

昆虫綱トビケラ目マルバネトビケラ科の昆虫の総称、あるいはそのなかの1種。この類は日本に2種、ミャンマービルマ)に1種が知られている小グループ。

 マルバネトビケラPhryganopsyche latipennisは、成虫の前翅(ぜんし)長約15ミリメートル、褐色で黒色の斑紋(はんもん)が明瞭(めいりょう)。幼虫は亜蚕児(あさんじ)型、腹部は伸長する。小植物片を集め円錐(えんすい)形の巣をつくるが、巣は柔軟で外観は粗雑。幼虫は山地渓流の淵(ふち)や水たまりに普通に生息し、落ち葉を餌(えさ)とする。近縁のシロフマルバネトビケラP. brunneaの分布は局限されている。これらの種は幼虫の巣の特異な形態などから、トビケラ類でも原始的なグループとされる。

[谷田一三]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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