マルティ(José (Julián) Martí (y Pérez))(読み)まるてぃ(英語表記)José (Julián) Martí (y Pérez)

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

マルティ(José (Julián) Martí (y Pérez))
まるてぃ
José (Julián) Martí (y Pérez)
(1853―1895)

キューバの「独立の父」と称される革命家で詩人、評論家。16歳で反スペインの独立運動に参加して投獄され、スペインに追放されてマドリード大学などに学ぶ。のちメキシコ、グアテマラアメリカ合衆国で亡命生活を送り、ジャーナリストとして活躍しつつ詩作を続け、解放の思想を展開した。民衆の側にたって「われらのアメリカ」(1891年に発表した論文の題。ラテンアメリカをさす)の団結を呼びかけ、「彼らのアメリカ」(アメリカ合衆国)の帝国主義的侵略を警告した。革命家として組織力にも優れ、92年に亡命キューバ人を中心にキューバ革命党結成。第二次独立戦争を指揮して祖国に上陸したが、スペイン軍との戦闘で倒れた。近代主義詩の先駆者としても名が高く、詩集に『イスマエリーリョ』(1882)、『素朴な歌』(1891)などがある。

[乗 浩子]

『ホセ・マルティ著、神代修訳『キューバ革命思想の基礎――反帝国主義的精神の形成』(1967・理論社)』


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