日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
マルケ(Albert Marquet)
まるけ
Albert Marquet
(1875―1947)
フランスの画家。ボルドー生まれ。初めパリの装飾美術学校に学ぶが、マチスと知り合って画家を志し、エコール・デ・ボザールのギュスタブ・モローの教室に入る。アンデパンダンやサロン・ドートンヌに出品。1905年、最初のフォービスムの展覧会にマチスとともに出品、初期フォービスムの有力作家となるが、その原色調の色と激しいタッチはマルケの好むところではなく、フォービスムの画風は長続きしなかった。俯瞰(ふかん)構図のパリの街景をはじめ、ハンブルク、ロッテルダム、ナポリなどに旅行し、港や川のある風景を得意とした。作風も、淡泊で微妙な色調のニュアンスのなかに叙情味のあるものになっている。パリに没。
[染谷 滋]