マリス(Roger Maris)(読み)まりす(英語表記)Roger Maris

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

マリス(Roger Maris)
まりす
Roger Maris
(1934―1985)

アメリカのプロ野球選手(右投左打)。1957年から大リーグ(メジャー・リーグ)のクリーブランド・インディアンス、カンザスシティ・アスレチックス(現オークランド・アスレチックス)、ニューヨーク・ヤンキース、セントルイス・カージナルス外野手としてプレーした。1961年にベーブ・ルースのもつ年間ホームラン記録を34年ぶりに更新する年間61本の大リーグ新記録(当時)を樹立したことで知られる。

 9月10日、ミネソタ州ヒビングで生まれる。アスレチックスからヤンキースにトレードされた1960年、ホームラン39本、打点112で初の最優秀選手賞(MVP)を受賞。翌61年、同じチームのミッキー・マントルとともにホームランを量産し、この強打コンビはそれぞれの頭文字をとって「MM砲」と命名された。これがのちに東京読売ジャイアンツの王貞治(おうさだはる)、長嶋茂雄(ながしましげお)のコンビが「ON砲(オーエヌほう)」とよばれる由来となった。1961年の2人のホームラン合戦は途中でマントルが故障戦列を離れて決着がついたが、マリスはその後も打ち続け、9月26日に大リーグタイ記録となる60号、シーズン最終戦の対ボストン・レッドソックス戦には、新記録となる61号を放った。この年、ホームラン王を獲得するとともに、打点(142)、得点(132)もリーグトップで、2年連続のMVPに輝いた。しかし、その後は故障などに悩まされ、1967年にカージナルスに移籍。同年のワールド・シリーズで打点7の活躍をみせて優勝に貢献し、リーグ優勝した1968年に引退した。

 12年間の通算成績は、出場試合1463、安打1325、打率2割6分、本塁打275、打点851。獲得したおもなタイトルは、本塁打王1回、打点王2回、MVP2回、ゴールドグラブ賞1回。

[出村義和]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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