マリア・クリスティナ(スペイン王アルフォンソ12世の王妃)(読み)まりあくりすてぃな(英語表記)María Cristina de Habsburgo-Lorena

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

マリア・クリスティナ(スペイン王アルフォンソ12世の王妃)
まりあくりすてぃな
María Cristina de Habsburgo-Lorena
(1858―1929)

スペイン王アルフォンソ12世の王妃。オーストリア大公の家門に生まれる。幼時よりプラハの尼僧院で教育を授けられ、1879年に結婚。1885年の同王夭逝(ようせい)時、懐妊中で、王子出生の場合その摂政(せっしょう)となる意をもって「摂政女王Reina Regente」という変則的地位についた。翌1886年王子出生によりただちにアルフォンソ13世として即位宣言がなされ、1902年の同王の親政開始まで母后摂政を行った。その深い知性と貞潔は宮廷内の信望を高めたが、行き詰まりをみせ始めた寡頭的・人為的二大政党制にたつ国家(「カーノバス体制」という)の統治には消極的で、幼王の教育に専念した。

山本 哲]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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