マリ(遺跡)(読み)マリ

百科事典マイペディア 「マリ(遺跡)」の意味・わかりやすい解説

マリ(遺跡)【マリ】

シリア東部,ユーフラテス川中流右岸にあるメソポタミア文明の都市遺跡。現在名はテル・ハリリ。フランスの調査隊による1933年―1939年の発掘で,先史時代のジャムダット・ナスル期(前3000年ころ)からマリ王朝を経てササン朝時代に至る遺跡が明らかになった。代表的なのは前18世紀のバビロン第1王朝時代のジムリリム王の宮殿跡(中庭と260余の室をもつ)で,他にダガン神殿や初期王朝時代のイシュタル神殿,ジッグラトなどの遺構が残る。バビロン第1王朝時代の〈マリ文書〉と呼ばれる楔形(くさびがた)文字の記された約2万枚の小板など,重要な遺物も多数出土。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android