マハールワーリー制度(読み)マハールワーリーせいど(英語表記)Mahālwārī System

改訂新版 世界大百科事典 「マハールワーリー制度」の意味・わかりやすい解説

マハールワーリー制度 (マハールワーリーせいど)
Mahālwārī System

19世紀にイギリス植民地政府によって,インドのウッタル・プラデーシュ,北西州パンジャーブなどで実施された徴税制度。グラマワーリーGramawārī制度とも呼ばれる。マハールとは〈区画〉の意。ライーヤトワーリー制度のように,個別の土地所有者と地税徴収契約を結んだり,あるいはザミーンダーリー制度のように大地主との契約,土地の競売といった内容ではなく,複数の〈区画〉または村落全体に対して地税を課する制度である。政府との地税徴収契約者が村の有力農民(ペッダpedda)であれ,村長であれ,その課税対象は村落または区画群全体であるので,土地の所有権,保有権や各農民の地税負担は政府が関知せず,彼らに任されていた。地税額は3~10年ごとに改定された。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android