マノヴォ-グンダ-サン-フローリス国立公園(読み)マノヴォグンダサンフローリスこくりつこうえん

世界遺産詳解 の解説

マノヴォグンダサンフローリスこくりつこうえん【マノヴォ-グンダ-サン-フローリス国立公園】

1988年に登録された中央アフリカ共和国の世界遺産(自然遺産)で、同国北部に位置する、1933年に設定された総面積1万7400km2の国立公園。ここは南のボンゴ山地、北のアウク川にはさまれた地域で、南部の高原に広がる険しい砂岩の山岳地帯と中央部の緑豊かなサバンナや、北部のアウク川流域の氾濫原(雨期には水没する草原)などの多様な自然の中に多くの動物がいる。ゾウクロサイイボイノシシカバ、コリンガゼル、ダイカー、アフリカスイギュウ、ライオン、チーターアヌビスヒヒサバンナモンキーなど50種以上の哺乳類や、ハシビロコウをはじめ、ペリカン類を中心に320種、推計1万~1万5000羽の鳥類が生息している。また、こうした多様な環境の中に1200種の植物が自生している。1980年代に隣国スーダンチャドで紛争が起こり、その資金を得るため武装グループによる密猟が横行し始めた。紛争終結後も密猟が止まらず、8万頭いたとされるアフリカゾウはわずか4年で3000頭に、6000頭いたクロサイはわずか10頭に激減するなど危機的な状態になり、1997年に危機遺産リストに登録された。◇英名はManovo-Gounda St Floris National Park

出典 講談社世界遺産詳解について 情報

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