マナウス(英語表記)Manaus

精選版 日本国語大辞典 「マナウス」の意味・読み・例文・類語

マナウス

(Manaus)⸨マナオス⸩ ブラジル北西部、アマゾン川支流のネグロ川に臨む都市。アマゾナス州州都。一九世紀末ゴム景気で繁栄した。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「マナウス」の意味・読み・例文・類語

マナウス(Manaus)

ブラジル北部、アマゾナス州の州都。アマゾン川に合流するネグロ川の北岸にある河港都市。外航船の入る自由港で、商業中心。19世紀後半からゴムの集荷地として発展人口、行政区171万(2008)。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マナウス」の意味・わかりやすい解説

マナウス
Manaus

1939年までマナオス Manáos。ブラジル北西部,アマゾナス州の州都。中心集落はアマゾン川左岸支流ネグロ川の最下流部左岸に位置する河港都市で,標高約 20m。ネグロ川は市の約 10km下流で,アマゾン川に合流する。アマゾン熱帯雨林地帯のほぼ中央部にあるため高温多雨で,月平均気温は 25~29℃,年降水量は 2000mmをこえる。 1669年建設された要塞を中心に最初のヨーロッパ人集落が形成され,のち伝道所なども建てられ,次第に発展。 19世紀末から 20世紀初めにかけてアマゾン地方のゴム・ブームにより繁栄し,市内には大聖堂やオペラハウス (テアトロアマゾナス) などの壮大な建物が建設され,本格的な河川貿易が始められた。その後天然ゴムの主産地東南アジアに移り,ゴム・ブームが終るとともに市も急速に衰退したが,20世紀後半に入ってブラジル政府による森林鉱業,農業開発が進められ,再び発展しはじめた。現在アマゾン低地の商工業中心地で,ゴム,ブラジルナッツ,ローズウッド油,ジュートその他の林産物を集散し,ジュート加工 (ロープ,コーヒー袋) ,ビール,石鹸などの工業があるほか,製油所が立地し,ペルーの油田地帯からアマゾン水系の水路を下って運ばれる石油を精製する。また最近は内外の企業が多数進出し,郊外の密林を切り開いて日本のオートバイ工場を含む工場が次々と建設されている。アマゾン水運の重要な河港で,大型外洋船が大西洋からアマゾン川を約 1500kmさかのぼって市まで直航する。 1970年代には北のボアビスタ,南のポルトベリョなどと結ぶ道路が建設され,陸上交通の要地ともなっている。アマゾン観光の中心地でもある。面積1万 4337km2。人口 101万 558 (1991推計) 。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「マナウス」の意味・わかりやすい解説

マナウス
Manaus

ブラジル北西部,アマゾナス州の州都。人口168万8524(2005)。河港都市で,アマゾン川とその支流ネグロ川との合流点付近,ネグロ川左岸のテラ・フィルメ上に位置する。標高約40m。河口のベレンから水路1713km,快速船で3日。数千トン級の外洋船が入り,川船との積替港としても重要である。旧称マナオスManaosは原住民マナオ族に由来する。1669年に創設され,ネグロ川のサン・ジョゼ要塞と呼ばれた。19世紀末から20世紀初頭にかけての天然ゴム採取産業の中心として栄えたが,ゴム産業の衰退とともに町も一時衰微。大理石造のアマゾナス劇場は1896年建設されたもので,1970年修復,開館された。1968年自由貿易地帯(ゾーナ・フランカ)に指定され,また工業団地が造成され,電気機器,機械,輸送機器など内陸型工業が誘致された。サン・パウロまでの道路(4013km)も建設されて人口は急増,アマゾニア開発の拠点で,熱帯の観光都市ともなっている。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

百科事典マイペディア 「マナウス」の意味・わかりやすい解説

マナウス

ブラジル北部,アマゾナス州の州都で,アマゾン川の河港都市。河口から約1700km上流であるが標高35mで,外洋船遡行(そこう)の終点。19世紀末から20世紀にかけて天然ゴム採取ブームの中心地として繁栄し,当時のオペラハウスなどが残っている。1968年自由貿易地帯に指定されて工業団地が造成され,電機,機械などの工業が誘致された。アマゾニア開発,アマゾン観光の拠点。179万2881人(2010)。
→関連項目アマゾナスアマゾン[川]ネグロ[川]

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「マナウス」の意味・わかりやすい解説

マナウス
まなうす
Manaus

ブラジル北部、アマゾナス州の州都。アマゾン川の支流ネグロ川の沿岸、本流との合流点近くに位置する。人口140万5835(2000)。アマゾン流域最大の港湾施設をもつ河港都市で、河口から1500キロメートルにあり、外航船が入ってきてにぎわっている。19世紀後半から20世紀初頭まで野生ゴムの世界最大の集荷地として栄えたが、その後マレー半島のゴムに押されて一時衰えた。市内にあるオペラ・ハウスはゴム景気時代の遺産である。しかし、近年ふたたび立ち直り、アマゾン盆地の経済、文化の中心、およびアマゾン観光の拠点となっている。自由港で自由貿易地帯(ゾナ・フランカ)が設けられ、一定額まで無税なため、ブラジル全土から観光を兼ねた買物客が集まる。郊外に工業団地がつくられ、電気機器、機械、輸送機器などの工場が誘致され、日本企業も進出している。

[山本正三]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のマナウスの言及

【アマゾナス[州]】より

…人口232万(1995),人口密度1.5人/km2。州都はマナウス。北緯2゜9′と南緯9゜49′との間に位置する内陸州。…

【アマゾニア】より

… アマゾニアの気候は,この流域が低緯度に位置し,標高が低いため,一般に高温多雨である。特にアマゾナス州の州都マナウスより上流のネグロ川とソリモンエス川流域では,一年中雨が多い。しかし,どこでも一年中同じように多雨というわけではなく,割合に雨の少ない季節のあるところもある。…

※「マナウス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android